問題:教育現場に何が起こるかを考えよ。

小学校教科書の検定前後の意匠差を見比べるため、教科書図書館に行ってきました。一応全社のものを見ましたが、D日本図書・K林館・K育出版・G校図書・M村図書出版などの教科書には大きな疑問を感じました。

私が見たところ、多面的な見地から問題が発見されました。いまそのすべてを書く余裕がないので表面的な問題だけにとどめます。

たとえば、意匠の問題があります。工夫した痕跡があるにも関わらず、意匠に失敗しているものが多く見受けられました。いや、努力の跡が残っているからこそ痛々しいと言うべきでしょうか。優れた意匠というものは、出来上がりに無理がなく、作り手の意図を感じさせないもの。洗練されたデザインというものは、どこを工夫したのかすら分からないものなのです。まあ、これについて文句を言うのはやめておきましょう。センスのない人間に言ってもどうせ分からない話ですし。

上記各社の教科書の一番大きな問題は、「カラーユニバーサルデザイン」という高圧的な「思想」の足跡が記されているということです。知識のない人々による偏向した「思想」の表明は、非常に罪深いものです。とくにD日本図書とK林館は酷いものでした。この2社は目立つように裏表紙(表4)に「認証マーク」を入れていましたが、まったく無知にも程があります。無知というより、馬鹿というべきでしょうか。

担当の編集者たちは「よいこと」をやっているつもりなのでしょうね。しかしこういった表記を見た人、とくに親は、大変に傷つくのですよ。まるで無神経すぎる。もし「よいこと」をやっているつもりがあるのでしたら、黙って、淡々とやっていただきたい。それが当事者のためです。

不気味なマークや注意書きをつけて目立たせるのは、当事者のためではないでしょう? お金のためですよね? そうじゃなければも「マークを買え」とでも脅されたのでしょうか? もちろんそういうことをやったら犯罪になるわけですけれど、最近私はあちこちから悪い噂を聞くので、非常に心配しているのです。というのも、認証活動を事業化している特定NPO法人「C機構」の「 I. K 」に恫喝されたという人から、恐ろしい実話を聞いたことがあるので・・・・・・

まあ、教科書に「認証マーク」がつけられたいきさつはともかく、「思想」を売りつける方、鵜呑みにしてしまう方、共に重大な問題があるということは言えるでしょう。お付き合いのあるベテラン編集者から、このように言われました。

   教科書に、「カラーユニバーサルデザインに配慮しています」なんて、
   絶対に書きたくない。だって「同和教育に配慮しています」って表記
   するのと似たようなものじゃないか。

まったくの同感。本気で同和問題を考えている編集者だったら、「同和教育に配慮しています」なんて軽々に表記できるはずがありません。しかし、同和問題の一部分だけをカジっただけの人なら、知ったかぶって態度表明したがることでしょう。同様に、「カラーユニバーサルデザインに配慮しています」などとという表記を派手に目立たせることや、某団体などの認証マークを貼付けてしまう行為は、「実は詳しくは知らないんですけど、私の行動はなかなか立派だと思いませんか?」というアピールでしかないのです。

って私なんかが言ったところで、この恥ずかしさは分からないんでしょうね、お馬鹿さんには。